みなさんこんにちは。高知県の大規模木造建築専門店の匠建設です。
高知県で介護施設の新築や建て替えを検討していると、「鉄骨造やRC造ではなく、木造でも介護施設をつくれるのだろうか」「木造にすると、実際の運営にはどのようなメリットがあるのだろうか」と気になる方も多いのではないでしょうか。
介護施設は、一般的な住宅や事務所とは建物の考え方が大きく異なります。利用者が長い時間を過ごす場所であると同時に、介護職員が24時間体制で働く施設もあり、居室、食堂、浴室、トイレ、スタッフスペース、汚物処理室、収納、設備室などを日々の介護動線と結び付けながら計画する必要があります。
さらに、車いすでの移動、介助しながらの入浴や排せつ、夜間の見守り、緊急時の避難などまで考えると、「木造かどうか」だけで建物の良し悪しを判断することはできません。
一方で、施設の規模や用途、必要となる防耐火性能などの条件を整理したうえで計画すれば、木造は介護施設と相性のよい選択肢のひとつです。利用者にとって落ち着きやすい空間をつくりやすく、断熱計画との組み合わせによって温熱環境を整えやすいほか、建物の形状によっては施工期間や将来の改修計画でもメリットを生かせます。
この記事では、高知県で介護施設の施工を検討している事業者様に向けて、木造を選択するメリットを、利用者の快適性、職員の働きやすさ、断熱性、工期、改修、防災といった実務的な視点から解説します。
この記事で分かること
- 介護施設を木造で施工するメリット
- 利用者の過ごしやすさと木造建築の関係
- 職員が働きやすい施設をつくるための動線計画
- 木造にすると工期や建築費がどう変わるのか
- 介護施設で特に重要となる防火・耐火・バリアフリーへの配慮
- 雨や湿気、南海トラフ地震など高知の地域条件を踏まえた考え方
- 施工会社へ相談する前に整理しておきたいポイント
目次
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1. 介護施設を木造で施工するメリットとは
介護施設を木造で計画する最大のメリットは、単に「木を使える」ということではありません。
利用者が生活する空間のつくり方、断熱性能、建物の規模、工期、将来の改修などを総合的に考えたとき、木造の特徴を施設運営に結び付けやすいことが重要です。
1-1 木造で建てられる介護施設は広がっている
以前は、ある程度規模の大きな福祉施設というと鉄骨造やRC造を思い浮かべる方が多かったかもしれません。しかし現在は、中大規模建築物の木造化を進めるための制度整備や技術開発が進んでいます。
国土交通省でも、中大規模木造建築物の普及や木造化に関する先導的な設計・施工技術を支援しており、木造は住宅だけの構造ではなく、非住宅建築でも検討される構造になっています。
ただし、「木造で建築できる」ことと「簡単に建築できる」ことは別です。
介護施設では、建築基準法だけではなく消防法、施設種別ごとの設備・運営基準、自治体の基準などを確認する必要があります。規模や階数、利用者の状態によって求められる防耐火性能や消防設備も変わります。
1-2 木造のメリットを生かしやすい施設
特に木造を検討しやすいのは、平屋または低層で、居室や共有スペースを比較的水平に配置できる施設です。
介護施設では、利用者が階段を使用することが難しい場合が多いため、平屋を基本として計画できる土地であれば、日常動線と避難動線の両方を整理しやすくなります。木造の架構計画とも合わせやすく、利用者の生活空間を細かくゾーニングしやすいのも特徴です。
一方、敷地が狭く多層化が必要な場合、大きな無柱空間を多数設けたい場合、特殊な設備荷重がある場合などでは、鉄骨造やRC造を含めた比較が必要です。
「介護施設だから木造がよい」のではなく、その事業計画に木造の特徴が合っているかを見ることが重要です。
2. 利用者が過ごしやすい施設をつくりやすい
介護施設は、利用者にとって一時的に立ち寄る建物ではありません。入所系施設であれば、そこで毎日の生活を送ることになります。
そのため、建物を考えるときには「必要な部屋が入っているか」だけではなく、落ち着いて生活できるか、暑さや寒さを感じにくいか、移動に不安がないかといった視点が欠かせません。
2-1 生活の場として落ち着いた空間をつくる
木造介護施設では、柱や梁、天井、壁などの一部に木を見せることで、一般住宅に近い柔らかな雰囲気をつくることができます。
大規模な施設ほど、廊下が長くなったり、同じような扉が連続したりして、利用者にとって場所を認識しにくい空間になりがちです。そこで、木の色や壁材、照明、家具などを使ってエリアごとの特徴を出せば、「自分の居室がある場所」「食事をする場所」といった空間の違いもつくりやすくなります。
認知症の方が利用する施設では、見た目のデザインだけではなく、視認性や動線の分かりやすさも大切です。
木造・木質化は、その空間づくりの手段として利用できますが、木を使うだけで過ごしやすい施設になるわけではありません。照明計画、色のコントラスト、サイン、音環境、家具配置まで含めて考える必要があります。
2-2 断熱・空調計画で室温差を抑える
介護施設では温熱環境も重要です。
高齢者は暑さや寒さへの感覚が弱くなっている場合もあり、居室は快適でも廊下や脱衣室が極端に寒い、といった環境は避けたいところです。
木材そのものは鉄などと比べて熱を伝えにくい材料ですが、建物全体の断熱性能は「木造だから高い」と自動的に決まるものではありません。
壁・屋根・床の断熱仕様、窓の性能、日射対策、気密、換気、空調設備を一体で設計して、初めて安定した室内環境につながります。
介護施設では居室だけでなく、食堂、廊下、脱衣室、浴室前、スタッフスペースなどの温度差を確認することも大切です。
高知は夏の日射や暑さへの対策も必要になるため、断熱材を厚くするだけでなく、庇、窓の方向、ガラス性能、屋根からの熱対策なども設計初期から検討します。
2-3 木質化は場所を選んで取り入れる
「木造介護施設なら、内装もすべて木にしたい」と考えるケースがありますが、実際の施設では使う場所を選ぶことが大切です。
例えば、居室や食堂、談話スペースでは木質感を生かしやすい一方、浴室周辺、洗面、汚物処理室などは水分や清掃頻度を考慮する必要があります。
車いすやストレッチャーが壁に接触しやすい廊下では、腰壁やコーナー部分に耐久性を持たせることも必要です。
見た目の木質感と、清掃性・耐久性・感染対策を両立させる。これが介護施設の内装計画では重要です。
3. 職員の働きやすさは動線と設備計画で決まる
介護施設を計画するとき、利用者側の快適性と同じくらい考えておきたいのが職員の動線です。
建物は完成した瞬間より、その後何十年と使われる時間のほうが圧倒的に長くなります。毎日の数歩、数十秒の違いでも、年間を通じて考えると職員の業務負担に大きく影響します。
3-1 介護動線を短くする間取り
例えば、居室からトイレまでの距離、スタッフステーションから各居室への見通し、浴室と脱衣室の位置、リネン庫や汚物処理室の配置などです。
図面を見ると十分な広さがあるように見えても、実際に車いすを押しながら移動すると曲がりにくかったり、介助者が横に立つスペースが足りなかったりすることがあります。
また、清潔なリネンを運ぶ動線と、使用済みリネンや廃棄物を運ぶ動線が不自然に交差すると、日々の業務が複雑になります。
木造か鉄骨造かを検討する前に、まずこうした運営動線を整理し、その間取りを実現するためにどの構造が適しているのかを考えるほうが合理的です。
3-2 設備を設計初期から組み込む
介護施設では、設備計画が建築計画に大きく影響します。
ナースコール、見守り機器、Wi-Fi、給湯、空調、換気、厨房設備、機械浴、洗濯設備など、住宅よりも多くの設備が必要になるケースがあります。
特に機械浴槽などを導入する場合には、単に機器が入る面積を確保するだけでは十分ではありません。介助者が立つ位置、ストレッチャーの転回、扉の幅、給排水、給湯能力、換気、将来の機器交換経路まで確認しておきます。
木造では梁や耐力壁と設備配管・ダクトが干渉すると、施工段階で調整が必要になる場合があります。
そのため、構造設計と設備設計を早い段階から重ね合わせることが重要です。
3-3 将来の改修まで考えておく
介護施設は、開業時の運営方法がそのまま何十年も続くとは限りません。
介護機器の更新、見守りシステムの導入、居室の使い方の変更、空調設備の更新など、さまざまな改修が発生します。
木造は計画内容によって壁や内装の改修に対応しやすい場合がありますが、耐力壁や防火上必要な区画まで自由に変更できるわけではありません。
「この壁は将来動かす可能性がある」「この部分は配管を増やす可能性がある」といった情報を設計者と共有し、構造上重要な壁や設備スペースを整理しておくことがポイントです。
4. 木造は工期と建築費でどんなメリットがあるか
介護施設の新築では、建築費と同じくらい開業時期も重要です。
事業計画では、建物が完成してから人員採用や研修、備品搬入、行政手続きなどを進める場合もあり、建築工程の遅れが事業全体へ影響することがあります。
4-1 木造で工期を短縮しやすい理由
一般的な木造では、柱や梁などを工場でプレカットし、現場で組み立てていく方法が採用できます。
構造躯体の施工を効率化しやすく、計画条件によっては鉄筋コンクリート造と比較して現場工程を短縮できる可能性があります。
ただし、実際の工期は構造部分だけでは決まりません。
造成、地盤改良、基礎工事、確認申請、防耐火仕様、設備工事、内装、外構、検査などがあるため、「木造にすれば必ず何か月短縮できる」と一律には言えません。
特に介護施設では設備工事の比重が大きくなりやすいため、設備機器の納期や施工順序まで含めた工程管理が必要です。
4-2 木造だから必ず安いわけではない
建築費についても同様です。
木造は構造計画や建物形状によってコストメリットを出せる可能性がありますが、介護施設では防耐火仕様、スプリンクラー、空調、給排水、厨房、浴室設備、ナースコールなどの費用が加わります。
大きなスパンを飛ばしたい場合や特殊な耐火仕様が必要な場合には、一般住宅のような木造の価格感覚では考えられません。
また、建物を複雑な凹凸形状にすると、外壁面積や屋根面積が増え、構造にかかわらず建築費は上がりやすくなります。
コストを抑えるには、「木造を選ぶ」こと以上に、無理のないスパン、シンプルな形状、設備配管をまとめやすい配置をつくることが効果的です。
4-3 建築費だけでなく運営コストまで見る
介護施設では、建築時の金額だけで構造や仕様を決めないことも重要です。
例えば、建築費を少し抑えるために窓や断熱仕様を最低限にすると、完成後の冷暖房負荷が増える可能性があります。メンテナンスしにくい位置に設備を配置すれば、点検や交換のたびに余分な費用がかかることもあります。
逆に、必要以上に高価な設備や仕上げ材を採用しても、事業収支を圧迫します。
初期費用、光熱費、点検費、修繕費、設備更新費を含めて、どこに予算を使うべきかを考えることが大切です。
5. 介護施設で欠かせない防火・バリアフリー
木造介護施設を検討するとき、多くの事業者様が特に気にされるのが火災への対応です。
ここは「木造でも大丈夫です」と簡単に済ませてよい部分ではありません。介護施設には自力避難が難しい利用者もいるため、建物の構造だけでなく、早期発見、初期消火、避難、職員体制まで含めて考える必要があります。
5-1 施設種別によって必要条件が変わる
ひと口に介護施設といっても、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、グループホーム、デイサービスなど、用途や運営方法はさまざまです。
それぞれ適用される設備基準や消防上の扱いが異なるため、「延床面積○○㎡なら木造で問題ない」という判断だけでは不十分です。
例えば特別養護老人ホームでは、厚生労働省の設備・運営基準で建物の耐火性能などが定められており、一定の条件を満たす平屋または2階建てについて準耐火建築物とできる規定があります。また、廊下、手すり、傾斜路などについても基準が設けられています。
指定介護老人福祉施設では、居室の床面積、浴室、洗面設備、便所、食堂・機能訓練室などについても基準があります。
つまり、建物のプランをある程度完成させてから法規を確認するのでは遅いことがあります。
事業種別と定員を決めた段階から、設計者、行政、消防などと必要条件を整理していくことが大切です。
5-2 木造でも防火・避難計画が最重要
高齢者施設の防火計画では、火を出さないことだけでなく、火災を早く発見し、延焼を抑え、安全に避難できることが重要です。
消防法上、自力避難が困難な方が入所する一定の高齢者・障害者施設では、原則としてスプリンクラー設備が求められるなど、利用者の特性を踏まえた対策が設けられています。消防用設備については、用途、規模、構造、収容人員などに応じて必要な設備を確認します。
介護施設では、火災時に利用者全員が自分で素早く避難できるとは限りません。
だからこそ、避難経路の距離だけではなく、職員がどの方向から介助に入るのか、夜勤人数で対応できるのか、車いすやベッドをどこまで移動させるのかまで想定しておく必要があります。
平屋の木造施設であれば、居室等から直接または短い経路で屋外へ避難できるような計画を検討しやすい場合があります。
これは木造だから安全という意味ではなく、低層・平面的な建物構成を避難計画に生かせる可能性があるということです。
5-3 図面上の寸法だけでは足りないバリアフリー
バリアフリーも、単に段差をなくせば完成ではありません。
車いすが曲がれるか、介助者が横に立てるか、扉を開けたときに人と干渉しないか、手すりを握りながら便器へ移乗できるかなど、実際の介助動作を想像する必要があります。
また、床材は滑りにくさだけでなく、車いすの走行性や清掃性も重要です。
玄関から居室、食堂、浴室、トイレまで、利用者目線と職員目線の両方で動線を確認すると、図面だけでは気付きにくい問題が見えてきます。
6. 高知で木造介護施設を計画するときの注意点
全国どこでも同じ設計をすればよいわけではありません。高知県で介護施設をつくるのであれば、高知の気候や自然災害の条件を建築計画へ反映させる必要があります。
6-1 雨と湿気を前提に耐久性を考える
高知県は温暖な地域である一方、雨への備えが特に重要な地域です。
高知地方気象台も、高知県では夏に黒潮上を通った湿った気流が四国山地に吹き付け、山間部を中心に年間降水量が3,000mmを超える地域が多いとしています。
木造建築では、この地域条件を考えずに「木だから耐久性が低い」と考えるのではなく、木材を長期間湿った状態にしない納まりをつくることが重要です。
屋根や外壁から雨水を入れないことはもちろん、万一水が入った場合に排水・乾燥できる構成、床下や壁内の結露対策、外壁下端や基礎周辺の納まりなどを丁寧に設計します。
介護施設は浴室、洗面、厨房、洗濯など水を多く使うため、建物外部だけでなく内部の湿気対策も必要です。
空調と換気のバランスを考えずに換気量だけを増やすと、季節によっては外気の湿気を大量に取り込むこともあります。
木造の耐久性は材料だけで決まるものではなく、雨仕舞い、防水、換気、結露対策、点検性を含めた設計・施工で考える必要があります。
6-2 地震・津波は土地選びから確認する
高知県で介護施設を計画する以上、南海トラフ地震への備えは避けて通れません。
高知県は2026年3月に、最新の震度分布・津波浸水予測を基にした南海トラフ地震の被害想定を公表しています。また、高知県防災マップにも最大クラスの地震・津波の予測が反映されています。
そのため、構造計算だけを地震対策と考えず、計画地そのものを確認することが重要です。
津波浸水想定区域なのか、地盤条件はどうか、周辺道路は災害時にも使える可能性があるか、避難場所はどこか、停電や断水が続いた場合に施設運営を継続できるかといった視点まで必要になります。
特に入所系施設は、災害が発生しても利用者を簡単に別の場所へ移動できません。
高知県でも社会福祉施設向けの防災対策指針や、高齢者福祉施設のBCP策定に関する資料を公開しています。建物の計画段階から、非常用電源、給水、備蓄場所、設備機器の浸水対策などをBCPと一緒に考えることが大切です。
6-3 県産材や木造化支援も計画段階で確認する
高知県は森林資源の豊かな地域であり、非住宅建築物の木造化・木質化を支援する制度も実施しています。
2026年度には「高知県非住宅建築物木造化促進事業」が設けられ、設計費や木材購入費などを対象とした支援が行われました。なお、2026年度分については予算額に達したため、県の案内では7月3日に申請受付を終了しています。
補助制度は年度によって内容や受付状況が変わるため、補助金ありきで事業収支を組むのは避けたほうが安心です。
一方で、設計前の段階から利用できる制度を確認しておけば、県産材の利用や木質化を含めた選択肢を広げられる可能性があります。
制度によっては交付決定前の着手が対象外になるため、「工事を始めてから補助金を探す」のではなく、事業計画と並行して確認することがポイントです。
7. 施工会社へ相談するときに確認したいこと
介護施設の相談というと、「延床面積は○坪で、木造ならいくらですか」と聞きたくなるところですが、それだけでは精度の高い計画や見積もりにはつながりません。
施工会社へ相談する前に、事業の条件をできる範囲で整理しておくと、木造が本当に適しているかも判断しやすくなります。
7-1 構造より先に施設の運営条件を伝える
まず伝えたいのは、建物の構造より施設の使い方です。
- どの種類の介護サービスを提供するのか
- 利用定員は何人か
- 入所型か通所型か
- 夜間の職員配置はどうするか
- 個室・多床室をどのように考えているか
- 厨房は施設内調理か、外部搬入か
- 一般浴、個浴、機械浴をどうするか
- 送迎車、救急車、厨房搬入車の動線はどうするか
- 将来的に増床や用途変更の可能性があるか
こうした情報によって、必要面積も設備量も大きく変わります。
土地をすでに所有している場合は、敷地図や測量図、既存建物の資料なども準備しておくと相談が進みやすくなります。
7-2 建築・設備・消防を一体で検討できるか
介護施設では、建築だけを先に決め、後から設備をはめ込もうとすると問題が起こりやすくなります。
例えば、機械浴を置いたものの給湯能力が足りない、ダクトを通したい場所に梁がある、スプリンクラー配管のため天井高さが変わる、といったケースです。
そこで施工会社へ相談するときには、木造の施工実績だけでなく、設備や防火計画を含めて全体を調整できるかを確認しておきましょう。
また、計画段階から行政や消防との協議が必要になりそうな部分を把握しているかも重要です。
介護施設は「建物」と「設備」と「運営」を別々に考えないことが、計画をスムーズに進めるポイントです。
7-3 見積もりは総額と将来性で比較する
複数社から見積もりを取る場合は、坪単価だけを比較しないよう注意しましょう。
同じ延床面積でも、見積もりに含まれている設備、外構、造成、地盤改良、消防設備、設計費などの範囲が違えば、金額は大きく変わります。
確認したいのは、少なくとも建築本体、電気設備、給排水設備、空調換気設備、消防設備、外構、設計・申請、地盤関連工事について、何が含まれ何が別途なのかという点です。
さらに、完成後のメンテナンス体制も確認しておきたいところです。
介護施設は一日休業して大規模修理をするといった対応が難しい建物です。設備更新や修繕のしやすさ、点検方法、完成後の相談先まで含めて施工会社を選ぶと安心です。
施工会社へ相談するときのポイント
- 介護施設の用途・定員を踏まえて計画できるか
- 木造だけを前提とせず、条件に合った構造を提案してくれるか
- 職員・利用者の動線まで検討しているか
- 設備計画を早い段階から組み込んでいるか
- 防火・消防・避難計画を確認しているか
- 高知の雨、湿気、地震、津波などの地域条件を考慮しているか
- 初期費用だけでなく維持管理まで考えているか
8. まとめ
高知で介護施設の施工を検討するとき、木造は十分に検討する価値のある構造です。
特に平屋や低層を中心とした施設では、利用者が落ち着いて過ごせる空間づくり、介護動線を考えた平面的な配置、断熱計画、施工の効率化、将来の改修など、木造の特徴を生かしやすい場面があります。
ただし、重要なのは「木造だから快適」「木造だから安い」「木造だから工期が短い」と単純に判断しないことです。
介護施設に必要な性能は、構造だけでは決まりません。
施設種別、利用定員、必要諸室、介護動線、設備、防耐火性能、避難計画、土地条件などを整理したうえで、その事業に木造が合っているかを判断する必要があります。
特に高知県では、多雨な気候を踏まえた防水・湿気対策に加え、南海トラフ地震や津波を想定した土地選び、避難、非常時の事業継続まで考えておくことが重要です。
これから介護施設を計画する場合には、最初から細かな仕様を決める必要はありません。
まずは「どのような利用者を受け入れる施設なのか」「何人規模なのか」「職員がどう動くのか」「将来どのように運営したいのか」を整理するところから始めてみてください。
そこから建物の規模や配置、構造、設備を一つずつ組み立てていくことで、完成後に使いやすい介護施設へ近づいていきます。
株式会社建匠の「匠建設」では、高知県で大規模木造をはじめとする非住宅建築の設計・施工に取り組んでいます。新築だけでなく、基本計画、ゾーニング、見積もり、施工管理、増改築、完成後のメンテナンスまで建物づくりをサポートしています。
「この土地に介護施設を建てられるのか」「木造と鉄骨造のどちらが合っているのか」「必要な広さや予算から相談したい」といった計画初期の段階でも、建物の条件を整理することができます。







